沈黙の鉄板『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』

トッド・フィリップス監督最新作。1作目もモチロン好きは好きなんですが、爆笑しながらの鑑賞、というよりは伏線回収の予測不能な素晴らしさに驚きっぱなしで、鑑賞後にジュースとポップコーンが相当余ってしまうといったどこかドラマ然として見てしまった節があったので、いいんだけど・・・いいんだけどね・・・と、まあ、初鑑賞時の印象が大切なボクには拭えない部分が残るのであった。そこにきて本作2作目。うん、ボクはこっちのほうがゲラゲラ笑えて好きなカンジでしたね。物語の安定感と応用のききっぷりに笑かされっぱなしでありました。

今年1月に公開された『デューデート』にも、本シリーズにおけるアラン(asザック・ガリフィナキス)のような、「別の惑星からきた」としか思えないキャラクター性を当のザック・ガリフィナキスが披露していましたが、本シリーズ2作目にしてその狂いっぷりは大爆発したと思います。ほとんど生死のキケンまで友人数名を追い込んでおいて、その弁解が「前作から引っ張ってきたプレゼント」ですからね。住んでる世界が違いすぎます。

さて、パンフレットにも書いてあったコトなんですが、2作目にしてこの安定感とはなんぞや?と思って考えていたら、そもそもエンドロールで明かされる出来事こそが、本来映画で描かれるもののハズなのに、この映画は違うんですよね。例えるならば1っずつしかマスを進めない人生ゲーム。必ず「振り出しに戻る」が待っています。そんなユニークなゲーム的展開の心地よさが実に素晴らしくって*1、コレはもうある種の発明だとも思いましたね。登場人物が「ええ!?またなの!?」と言っているのが可笑しくて1作目より遥かにテンポがいいです。

どうやら3作目が制作されるとしたらソレで終わる予定のシリーズらしいですが、ここはひとつセガール御大の沈黙シリーズよろしく色んなコメディ映画にザック・ガリフィナキスを登場させてほしいです。彼に絡まれるベン・スティラージャック・ブラックウィル・フェレルセス・ローゲン。とにかく、誰でもいいのでメチャクチャなことをやってもらいたいのです。国境どころか色々と越えてしまえ。そして、引取りを譲り合うコメディ俳優にじゃあオレが、じゃあオレも、・・・そ、それじゃあオレも、どうぞどうぞどうぞ!というダチョウ倶楽部の安定感を感じるボクなのでした。おもしろそうじゃん!ダメか!?

*1:本年度のゲーム映画といえば『スコットピルグリム〜』でありますが、本作にもパックマンが登場するですよ。