IDいらずの友情に全俺が泣いた『スーパーバッド 童貞ウォーズ』

グレッグ・モットーラ監督作品。先日参加したしたまちコメディ映画際で鑑賞した『宇宙人ポール』をきっかけにようやく見るにいたりました。いまさら感満載かもしれませんが言わせてください・・・この映画さいっっこう!ちょーさいこー!!

童貞たちの目標といえば全世界共通で女の子とエッチすることなわけですが、モテない男子だから正攻法とはいかず、「酔った勢いでヤらせてもらおう!」という企みをしてしまうわけです。で、アメリカではお酒買うのにはIDカードいるからはてさてどうしたものかというドタバタコメディであります。主役となる3人は、デブでモテないセス(asジョナ・ヒル)、セスの友達でイケメンなのにイケてないグループにいるエバン(asマイケル・セラ)、面長色白メガネでちょっとズレた感覚のフォーゲル(asクリストファー・ミンツ=プラッセ)、このデコボコトリオが主役で全員童貞。

もし、本作が今年の劇場公開作品だったら『スコピル』『ピラニア』『スーパーバッド』という三種の神器を揃えることができたのですが、まぁ、そんなことはありえずですね、とにかく、無い物ねだりの不満といえばそれくらいなのですが、この映画ほんとうに最高でしたっ!見ているとどうしてもこれまで付き合ってきた友達の顔が浮かんでしまう、そんな作品でしたね。ボクが今いっしょにバカやっている友達は小学校からの付き合いの奴らが多くて、それに次いで中学からのといった具合なんですけれど、なんというかその友達のことをちゃんと考えてあげてるのかなぁ、とか考えさせられたり、結婚して付き合いの減ったアイツどうしてるかなぁとか、そんなことばかり考えていました。

思うにセスは『ハングオーバー』のアランや『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドの前日譚のようなキャラクターでしたね。いずれにせよデブ!彼からの「友情」という名の純な想いは、ひとによってはとてつもなく鬱陶しいものかもしれません。愛すべき困ったちゃん。ボクは完全に彼に味方して見ていましたが、ときおり「あははは!ホントおまえってかわいそうなやつ!」といじめたくなる瞬間も。でも、そんな風にやーいやーいといじめていたら、思いがけず見せてくる彼の表情に「あ・・・ごめん・・・」とも思わされてしまい、そして、ラストには「・・・よし!いっちょ飲みにいくかっ!」と言わんばかりに彼の肩をぽんっと叩こうとしたら、氷点下から一気にマグマが噴火するようなべろべろばーをされて赤面してしまうのでありました。まったく、このエンドロールにはタマげたぜ!最高!