ムーンライト伝説inタイペイ『台北の朝、僕は恋をする』

2010年に台湾で大ヒットしたラブストーリー。見てみました。いや〜良かった!『ピラニア3D』見てパイ!オツ!パイ!オツ!とか言ってた夏が過ぎ去って、シリアスに人恋しいこの季節にてくてくとボクの心に歩み寄ってきてランニングホームラン!なんて素敵な映画だっ!

『ビフォア・サンライズ』のような一晩の出来事のおはなしで、いわゆるボーイミーツガールな本作ですが、引くときは引いて動くときは動く適度なカメラワークとカット割りにまずセンスとテンポが備わっていて、全体的にゆるい雰囲気ではあるものの、警察から逃げ回ったり誘拐されたりのハチャメチャ展開もあって超たのしいです。まぁ、それもゆるいのがイイんだけど。

映画は主人公ふたりだけではなく、さまざまな「恋」について描いてくれています。失恋と片想い、過ぎ去った恋に消えかかっている恋、そして、これからはじまる恋。登場人物たちに訪れている色んな恋模様が、月明かりに照らされた台北(タイペイ)で描かれるわけです。それも85分という短い尺の中に。く〜!たまらないねっ!ボクもこんな恋してみたいっ!って思わされてしまいますね。ラストシーンのかわいらしさといったらないです。さりげなく且つしっかりと役者の表情、カメラワークなどの映像演出で見せてくれている実に秀逸な小品でした。

最後にネタ書くと、「ごめんね素直じゃなくて夢の中なら云える」という有名なアノ歌ですが、映画の冒頭がレコードに針を置く音であることから、この映画は一曲の「思い出」なのだと思います。ボクも好きな女の子の前ではアガってしまうタイプで、セーラームーンの変身シーンは指のすき間から見ていた頃もあったんですけどね、今では結構テキトーです。でも、この映画を見てなんだか自分の中に純情がよみがえったような気がします。本作の主人公のように本屋に通って、ヒロインであるアンバー・クォちゃん(榮倉奈々川島海荷なカンジ)と恋をしたいものです。あ〜恋バナとか超ニガテだけど、ラブストーリーの映画についてなら語れるわ〜といった具合に思考回路はショート寸前なのでありました。ちゃんちゃん。