どれも劇場で見たかったなぁ『メカニック』と『グリーン・ホーネット』と『ファンタスティックMr.FOX』


『メカニック』
クラブでつかまえた女との行きずりの夜を早送り気味にテンポよく見せてくれた時点で、これはもうモテるハゲ=モゲメンであるジェイソン・ステイサムが気持ちよくヒャッハーしてくれるジェイソンステイサ無双なのだろう、と思っていたらば、傑作西部劇『3時10分、決断のとき』(09)における気骨のある手下役が印象に残っているベン・フォスターが登場してからは、殺し屋とその弟子というバディものになっていって、尚更おもしろかったです。終盤の二転三転する物語は復讐劇特有の裏表なのかと見守っていたら、最後のコイントスで実は裏面はハゲていて表しかありませんでした、という痛快っぷりで素晴らしかったです。好き。




グリーン・ホーネット
人を分身させてまでわざわざ奥行きを見せてくれたと思えば、どこも見せる気のない無限スプリットスクリーンを披露してきたりして、ミシェル・ゴンドリー監督がどうもニガテでスルーしたことを超後悔。とても良かったです。主人公のふたりはバットマンブルース・ウェインが一緒になって戦っているようで珍しく感じました。ただ、ここに絡んでくるキャメロン・ディアスがイマイチ。主人公ふたりの大喧嘩が見せ場ではあるのでヒロインがいないと盛り上げにくいとは思いますが、いかんせん魅力に乏しすぎました。それでも壁という壁、物という物すべてが盛大にぶっ壊れていく様子がかなり楽しく、アクセントとしてカプチーノのラテアートや悪役が様式美にこだわったりといった繊細な描写もあって、それらが「覆面ヒーロー」の二面性を表現しているようでおもしろく思いました。かなり好き。




『ファンタスティックMr.FOX』
ウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメ。とにかく動物たちの毛並みひとつひとつが愛くるしいのと、ストップモーションってこんなにスピーディーに映像を見せてくれるんだスゲーっていうので興奮しっぱなしでした。このテの作品にはうとくて全然見たことないんですよね。横スクロールでアクションを展開していくってのもツボで、ほとんど何も考えずにただ映像に楽しませてもらえたと思います。フツーなら人間から物を盗んだりするのはネズミの役目かなと思うのと、25歳現在、ボクにとって一番おそろしい生き物とはネズミであるということから、この作品でのネズミの立ち位置には妙な気持ちにさせられました。反逆するキツネたちをこれ以上はない戦力で迎撃していく人間たちがまんまとキツネにつままれてしまう楽しい映画でした。好き。