ホームレス厨学生『ホーボー・ウィズ・ショットガン』

ジェイソン・アイズナー監督作品。『グラインドハウス』('07)をきっかけに行なわれたフェイク予告編コンテストで優勝を飾った作品の長編映画化。ホーボーってなんだー?と思って調べたら、土地から土地を働きながら渡り歩いた「渡り鳥労働者」なる人々を“ホーボー”というんだそうで、ルドガー・ハウアー演じる映画の主人公は、クズどもをショットガンぶっ放してぶっ殺しまくるというたいへんな清掃業を見つけたのでありました。

始まってスグにソレとわかる油絵みたいな映像がまず目にやさしくて、そこに血はでるわ頭は転がるわ当然はらわたも出るわでコレはもう言うことが無い!ってのがおおまかな感想なんですが、いまひとつハッタリ感に欠けていたのも確かで、その、ちょっとした喰い足りなさはヒロインのかわい子ちゃんが、主人公救出のために武装するシーンの「うおおおお・・・アレ?」といった少しばかりの拍子抜けに象徴的だと思う。ホーボーの人が街で大暴れ!って、なんだかフツーにありそう。

病院内で眠る赤ん坊たちに「きみたちの未来はきっとクズみたいなものだ・・・でも・・・でも・・・!」みたいなことを語りかけるシーンがあって、もう動機はアレだけでよかった気がします。ヒロイン役の子はなかなか可愛かったけど、86分にしてはちょっと話の転がり始めが遅いような気も。と、まぁ、考えれば考えるほど色々なほころびが気になりますが、見ているうちは清清しい気持ちにさせてもらえました。ラストバトルの見せ方はお上手。

監督さんはまだ30歳くらいの方だそうなので、グラインドハウス塾生として、これから色んな映画で楽しませてくれるんだと思います。タランティーノを筆頭にこういった映画には日の目を浴びずとも逃さずしがみ付いていきたいですね。ショットガンの装填は何億回見ても素晴らしい。おわり。