Don't K-ON,be it『映画 けいおん!』

大人気テレビアニメ劇場版。

見てきましたー。いやー良かったなー。素晴らしかった。これぞ初志貫徹といったテレビ版そのままでありつつも、映画にうまく歩幅を合わせていたカンジでした。ただ、『けいおん』の魅力って何となく見続けてるとその内よくわからなくなって「けいおん的だから〜」と言ってしまうのが一番ラクになっちゃう気がする。そんななか映画版を見てきたら「夢を見るな,夢になれ!」というアノ有名な言葉がボクの感想にはでてきました。それを何でなのかまとめてゆく。

ロッキー・ホラー・ショー』(’75)にある「自分が夢見ている存在に自分がなるんだ!」という激励の言葉。これ、「“誰か”の夢になるんだ!」という捉え方はできませんかねぇ。「夢を見ずに誰かに“夢として”見られる存在になるんだ!」とするとおもしろくなって、「夢を見るな」とは言いつつも「夢として見られる」コトを“善かれ”としている。つまり、「夢を見る」という行為そのものを否定と同時に肯定もしていて、新たに「誰か」という視点をつくってくれるんですね。そこで考えるのが、「夢を見ずに誰かの夢になるってどんな人だろう?」というところで、そういう人ってきっと無自覚的に物事に取り組んで達成する人なんだろうな、と思うんです。

で、ボクにはそれが唯たちをはじめとする『けいおん』の世界のキャラクターがそうだと思ったんです。もし、高校生くらいにこのアニメ見てたら、何かにあてられてうっかり「先生になりたい…」とか思っちゃったかもです。夢のような話というよりは、登場人物たちにつくり手側が夢を見せているカンジ。なんだけど、奇抜な設定や過剰な描写を禁じ手のように避けて避けて避けまくって1期(14話)、2期(26話)という土台を経て、最後に劇場版の一瞬だけふわっと世界から解き放ったようなそんなような。まぁ、まやかしと言えばそうかもしれないんですけれどね。嘘をつき続けることができるか。ボクには彼女たちの姿を嘘ついてでも否定できなかったということですかね。甘ちゃん。ケーキと紅茶。甘いものは別腹。放課後ティータイムは永久に不滅でありますっ。おしまい。