ボクと映画の異文化交流『宇宙人ポール』


↑テライケメン。はい。したまちコメディ映画祭で見ていましたが、ちょっと今は細かな部分がぼんやりしているので、このエントリでは『宇宙人ポール』がロードムービーだということから「今年どういう映画を好きになったか振り返る」ようなことを書きたいと思います。空中キャンプさんの企画に投票するときに考え付いていればよかったんですがね…。まぁ、それはそれとして、今、映画について思っていることなどもひっそりと。それではまずは映画の好きなところ。はい。映画って、いろんな国の、人の、いろんな文化がたくさん描かれてるじゃないですか。しかも、文化といっても非現実的であったり現実の出来事であったりもして、映画見るときは「勉強」という心構えをしないつもりではいるんですが、感心したり驚いたりするとついつい「学んでいる」感覚になっちゃったりするんですよね。ボクは頭悪いし常識ないし世間知らずだし定職ないしで誇れるもんなんて何一つないんです。映画好きって言ったって『宇宙人ポール』でさえぽろっと忘れちゃう。ダメなんですね根本的な何かが。わかってるのに何もしないくらいにダメなんです。

まぁ、それはアレとして、今年、ボクが気に入った映画にはアメリカっていう国の文化を感じることが多かったようで、まぁ、そういう視点を持って鑑賞に臨んでいた訳ではなくて、ツイッターでのやりとりや他の人の映画感想とかを読んで気付けたんですけどね。はい。それもいいですね。とにかく、忘れないうちに書いておきます。まず、『ソーシャル・ネットワーク』の冒頭の会話のあとのザッカーバーグが寮に入っていくときのカメラワーク。あれを見て「まるで監視カメラみたいだなぁ」と思ったんです。フェイスブックっていう文化の中心にいるザッカーバーグを外側から見ているイメージ。同時に大学内でチェロみたいの弾いてる人も映したりして、まるでハーバード大学のファイナルクラブなどの文化を観察しているようなんです。そこで流れているきりきりとした不安感を煽る音楽にも何やら機械が動き始めているような印象を受けます。次に『ピラニア3D』。あれもピラニアがリア充たちを食い尽くす!っていうスペクタクル以外にそのリア充たち自体にあった「スプリングブレイク」っていう文化がまずおもしろくって、劇中でエリザベス・シューの言う「町の稼ぎ時なのに…っ!」みたいなセリフや、スプリングブレイクを愉しんでいる若者をポルノ撮影して一攫千金という珍事、さらにその様子をMTVで中継までしているというアメリカのゴキゲンっぷりに単純な驚きとユニークさがあるんですよね。『ピラニア3D』はピラニア以前にもうおもしろかったんです*1

他にも『ステイ・フレンズ』のフラッシュモブやNYとLAの違い、『ハングオーバー!!』のバチュラーパーティーやタイの風景なども同様にインパクトと新鮮さがあって興味を引かれます。少し矛先を変えて『スコット・ピルグリム〜』も映画とゲームふたつの文化の融合を見れた気がしたし、よくスポーツ選手とかが他の競技の練習法を取り入れたりするのはシーズンオフのことだと思うので、これからの映画に新しいステージの予感があったりでワクワクするんですよね。そこへきて『宇宙人ポール』が素晴らしいのは、挙げた作品にあった「文化」としての描写が、サイモン&ニックらの「SF愛」であったり、二人やグレッグ・モットーラ監督、そしてカメオ出演のアノ人らの「映画愛」だということなんですよね。その象徴がまさにポールという存在。そういったことを「あの多幸感よもう一度」といった気持ちになりながら思い起こしている年の瀬なのでした。ちなみに、「ちなみに」といっちゃアレなんですが、日本の映画については当然ボクにとって外部ではないので、3.11という出来事を内部として描いた作品、これについてはとにかく見ること。これだけはしていかなくちゃなと思います。あの日にぽっかり穴が開いてしまった洗面台。今でも直さないままです。直したいような直したくないような。ホントに何もわからないんですけど、とにかく見るだけはしようと思っているし是非つくってほしいと思っています。ボクは何もわからないから。はい。おわります。

*1:「ピラニア以降」はもちろんおもしろすぎて死ぬ