初雪も済んだから最近見た映画いくつか

元日に見ていました。『アメリ』(2001)のオープニングにあった毒気をクレイアニメーションで仕立てたような作品で出来上がりがとにかくすごい。メアリーとマックスの二人を俯瞰でとらえるシーンがそれぞれの世界の在り方を表現していて、ラストにそれが伏線になっているのもかなりうまい。でも、ボクにはイマイチ二人に身が入っていかず、それほど響くような作品だと思えなかったです。無念。

ツタヤに行って何気なく棚を見ていたらセス・ローゲンの顔が目に飛び込んできた作品。かなりおもしろかったです。幼なじみ/ルームシェア/でもセックスはナシという不思議な関係の二人が、ある日高校の同窓会に行ったらば自分たちのショボさにガックリきて残念な思いを味わったので一攫千金人生の大逆転を狙ってアダルトビデオを自主制作するというおもしろストーリー。「きみたちにこそ幸あれ!」と心の底から叫びたくなる映画でした。大好き。

一度は声に出してみたくなるタイトルがまずイイんですが、ひとつの目的地に向かって描写がなされていてたどり着いたときの達成感はこの映画ならではかと。とにかくもう神様でも何でもいいから何とかしてあげてよ!と思いましたねぇ。

  • 『ザ・タウン』(2011)

冒頭のアクションが手の込んだものだったので驚いたんだけど、残りの二つが登場人物殺すためだけってカンジでちょっと長く感じちゃって、粒ぞろいの安定した役者陣だったからもっと演技を見たかったかなぁ、いやそれじゃバランスがなぁ、うーむ、と考えていたらとりあえずベン・アフレックのキザったらしいカンジが苦手なので、まずは出演陣から「身内」っていうカンジをなくしてほしいなと思いました。

  • 『あぜ道のダンディ』(2011)

川の底からこんにちは』(2010)がよくぞこの満島ひかりを撮ってくれました!という大好物だったので、不評の嵐にも負けずなかなか期待して見た石井裕也監督作品。「なりたい自分」の痛々しさを恥ずかしげもなく晒したような映画で、とにかくみっともない。ダメでした。

メル・ギブソン 牛乳」たったこれだけの言葉でうつむき加減に考えさせられる日がくるだなんて一体どうなっちまったんだ・・・と思いました。キレたおじさん映画としては『96時間』(2009)があるけれど、同年公開の『扉をたたく人』(2009)のほうが怒りの感情として近いものがあったかと。スケールのデカい話のなかそれぞれの事情を丁寧に描いていて良かったです。

  • 『ディフェンドー 闇の仕事人』(2009)

ここまでやられてしまうとヒーローとか自警活動とかいう言葉に対する確固たる考えがないボクにはチョット理解が及ばず悲しいだけなんですよねぇ。よくわかんなかった。

好きでした。舞台のワイハーも相まって全編に漂う野暮ったくてダルい雰囲気が「失恋してうじうじしている男」の描き方として、より洗練された『(500)日のサマー』(2010)よりもボクには等身大かなぁと。どっちにしろイヤだしイイんだけど。R指定の『ステイ・フレンズ』(2011)で死守されていたミラ・クニスのパイオツが何の前触れもなく映ったりしておトクな一本でしたね。

冒頭のマリファナ吸って好きな映画のマネっ子してバカ騒ぎっていうボンクラ描写に安心していたら、だんだんとマジメに頑張る話になってきやがって「いや、まずは仕事探そうよ・・・・はう!マジレスしてしまった!」といった具合にハッとさせられる映画でたいへんおもしろかったです。劇中でセス・ローゲンが「妊婦・出産に関する本」を読んでいるという描写を幾度となく繰り返していて、これはもうこの映画をバイブルとして果たしてくるのかどうかという「子供が産まれる」というイベントに対峙するしかないなと思いましたです。ジョナ・ヒルもいましたね。ハイ。おしまい。