叫び声はまだ加速する『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(2011)


ウェス・クレイヴン監督の人気シリーズが11年ぶりに復活。おもしろかった。あまり思い入れというか記憶にないシリーズだったんだけど、一気に好きになってしまった。ホラー映画にある「お約束」や「ツッコミどころ」を批評しながらそのツボを外していくというつくりで、非常にメタメタしいことが特徴であるこのシリーズだけど、よく考えてみれば、自分が死ぬほどの思いをした殺人事件が次々と映画化されていくという主人公シドニー(asネーヴ・キャンベル)の状況はなかなかコワイし、自分の故郷がその映画一色に染まっているだなんてとんでもないことだ。3作目ではそのことから逃げるように雲隠れの生活をはじめるシドニーだけど、事件に呼び戻されるように街へ帰ってしまうんだよね。で、なんとかそれを乗り越えて、ようやく普通の生活を取り戻して平穏な日々を・・・というところにこの4作目。またもやシドニーゴーストフェイスとの戦いに身を投じていく。

当たり前だけど、リメイクだろうがリブートだろうがおもしろければ何だっていいわけで、映画づくり自体に「ルール」は無い。オリジナルへの敬意ってつくり手にとっては大切なんだろうけど、見る側には結構どうでもいいと思う。むしろ、時を越えて映画を通して人々が同じような体験をしているってなかなか素敵なことなんじゃないかなぁ。「見なくていい」じゃなくて「見てなくてもいい」ってことね。積み重なりが最大である現代のほうが、それについての情報物件が絶対に多い、という点ではフェアとは言えないしね。まぁ、権利とかあるから無理なんだろうけど気持ちね気持ち。4作目の今回メタメタにするのはホラー映画のリメイク/リブートについてなんだけど、ボクがおもしろいと思ったのは、「現実を乗り越えるために書く」「好きなホラー映画は?」そして勇気を示す4文字の言葉としていわれる「度胸」という三つのセリフだ。

終盤、犯人から出されるお馴染みの電話クイズに「革新的なホラー映画のリメイク版で殺人鬼が・・・」というのがある。まぁ、英語聞き取れればもっとわかるかもなんだけど、あれってどういう出題で答えは何になるんだろうか?「現実を乗り越えるために書く」というのはシドニーとゲイル(asコートニー・コックス)がすることだけど、自身の体験談を世に出してその恐怖を克服することは、リメイク/リブートではなく、自らアイデアをしぼりだしてものづくりをすることへの意義なんじゃないだろうか?そして、そのために必要なものとして「guts=度胸」とのアドバイスを散りばめたんじゃないだろうか?それらを踏まえると、昔は脇役だったような役に主人公が任される風潮に待ったをかけるウェス・クレイヴン監督のまだまだ若いモンには負けんぞ!っていう清々しさが楽しい作品でした。出演しているエマ・ロバーツジュリア・ロバーツの姪だということも要素に取り入れるだなんてえげつなくて素晴らしい。果たしてシドニーは、この「映画」から「離れる」ことはできたのか?新3部作のプラン自体はあるそうなので是非つくってほしいなーあーエマ・ロバーツかわいいーヘイデン・パネッティーアもいいーアリソン・ブリーという女優さんも知らなかったけどおっぱいがイイわーこの映画さいこー!おわり。