そろそろヒートテックもお役御免というときに見た映画いくつか


アリス・クリードの失踪』(2009)
ぜんっぜん説明してくれない展開がしばらく続いてくうちに「説明がないなら推理するしかないね。こいつらの目的は?関係は?・・・あっ、もう映画に引き込まれてるわ」っていう風に思えて、それに気付かされて落ち着いて見守っていたら死角からトンでもない映像が殴りかかってきておもしろかった。その衝撃が冷めると、冒頭にあった無言の準備シーンにひょいっと挟まれている「二人の男の一休み」のところがたまらなく可笑しく感じた。あれよあれよと主導権が入れ替わっていくサスペンスに振り回された挙げ句の果てに弄ばれたような気分で取り残されて、いや、ホント最高だったね。超好き。



『Fame フェーム』(2009)
DVDスルー。1980年作品のリメイク。監督は人気ドラマ『glee』劇場版のケヴィン・タンチャローエン。オリジナルは未見。NYの名門芸術学校に入学した生徒たちの4年間の青春群像劇。え?こいつら本物の生徒じゃないの?と思うほど役者の表情がイイ。4年間のオイシイとこ撮りみたいなざっくり感も好きだったし、それぞれの問題がふむふむありがちねぇなんて軽く見れちゃうのも深刻にならないから好き。歌とダンスは、放課後のひとときをダベって過ごしていたら、突然、一人の生徒が踊り始めて、それに合わせてみんな思い思いの歌/楽器をアドリブで始めていくっていうくだりが良くて、何気ないシーンからミュージカルになだれ込んでいく様子に音楽の日常化がありありと感じられて最高だったよ。相当好き。



ザ・ウォード/監禁病棟』(2010)
ジョン・カーペンター監督作品。なんだか掴み所がないなーと手をこまねいているうちに終わってしまった。ションボリ。自由時間みたいなときに音楽流してフリフリ踊る楽しい場面がピークだったかも。あの場面、イイなーって思い始めて浸るか浸らないかってときに雷に邪魔されちゃうんだよね。まぁ、たぶんカーペンター作品の肝みたいなもの知らないからダメな人だったんだねボクは。でも死んでいく場面はどれも良くて、特にトイレの洗面台に血がぬめっとついてるのが好きだったよ。あと格闘おもしろい。



コンテイジョン』(2011)
スティーブン・ソダーバーグ監督作品。うわぁうわぁと思う連続で集中途切れることなく見れた。まるで監督の頭の良さが飛沫感染してくるようだったよ(言ってみただけ)。声を消してまで作品のテンポ/呼吸を大切にしていて、よくわかんないけど物凄くリサーチしたんだろうなっていうのが伝わってきてとてもおもしろかったよ。名のある役者が口パクしているのを見るのはなんだかおかしかったね。結局のところ「ウイルスは何もしていない」ってのにうむむむ・・・と考えさせられたりしなかったり。結構好き。



ツリー・オブ・ライフ』(2011)
テレンス・マリック監督作品。別に見なくてもいいかなーと思ってたんだけど、先日のアカデミー賞授賞式でジェシカ・チャスティンがすごく綺麗だなと思ったので、地元でも見れる『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』(2011)の前に一本見ておくかーっていうノリで見てみたよ。したら、かなりおもしろく見れてびっくり(笑)。特別な解釈とかないんだけど、家族の場面はうっとりするシーンの連続だったし、環境ドキュメンタリーみたいな映像も博物館みたいで楽しめた。遊んでいる少年の影を逆さに撮っているトコとジェシカ・チャスティンが浮遊しているトコが好きだなぁ。あと、環境映像のほうは海の恐竜の背中に裂傷みたいなのがあって(たぶん)、そのあとにサメが映るもんだから「はは〜ん恐竜も地球を支配していたわけじゃないと言いたいんだな?」とか色々考えるのが楽しかったよ。不可解だけど決して不快にはならない。セリフ少ないから押し付けがましくないのもイイよね。うん。劇場で見るべきだったね(笑)。おわり。