ドシラドシラドシラソラシドシラ『GODZILLA ゴジラ』

GODZILLA ゴジラ』感想。

めずらしく初日初回鑑賞。IMAXとかいう都会システムで見れていないのが残念なところですが、アメスパ2に次いで今年ベストクラスに好きな映画となりましたね。

予告編からは「対ゴジラ特殊部隊!その絶望!」でアーミーアーミーな感じを予想してたんですが、まぁ違いましたね。しかし、何を隠そう初めて映画館で映画を見たのが『ゴジラvsビオランテ』[1989]の人間なので、フツーよりは「ゴジラ」の概念を持っているし、なにしろ今回のゴジラにきちんと対戦相手がいるってのが嬉しかったしで最高でしたね。昨年の『パシフィック・リム』[2013]とコレで2年連続満たされることとなりました。

不穏な振動と電磁波を探知したとし、電話越しに仕事の話をする父ジョー(asブライアン・クランストン)を寂しげな表情で見る息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)。フォードは、朝起きたら父の誕生日を祝おうと楽しみにしていたが、父が仕事のためいつもより早起きしていたため、そのタイミングを逸してしまい寂しい思いを味わっていた。息子の健気な様子に母サンドラ(asジュリエット・ビノシュ)が寄り添い優しく抱きしめる。学校へのバスに乗ったフォードを見送ったあと、サンドラはジョーへ息子の想いを告げる。またやってしまったとアウチな表情をするジョー。「息子には悪いことをした。しかし、今直面しているコトで手一杯だ。ほら吹きの絵空事だと思われたくない」というようなことを言うジョーへ理解を示すサンドラ。

何気ないオープニングですがすごくイイやり取りです。一年に一度の誕生日とはいえなかなか思うようにはいかない。けれど、もしダメだったとき「理解し合えるコト」には確かな意義がある。この家族はイイな、この映画の「世界」はイイなと思わせてもらえるオープニングです。

仕事の電話をする父の背中を見るフォード。サンドラの姿を待つジョー。電車に誤って乗り込んでしまった少年を見つけ、ドア越しにいる夫妻にあとで自分が送り届けますと伝えようとするフォード。そんな彼の安否を祈り連絡を待つフォードの妻エル(asエリザベス・オルセン@可愛い)。「信じなくてごめん」と送ったフォードの言葉は果たして届いたのだろうか。ギャレス・エドワーズ監督は「交信」の描写を多用します。

誰かに想いを伝えること。そして、何かのメッセージを受け取ること。「交信」のために人は色々なものを発明し色々な手段を講じてきました。が、それが叶わなかったとき、途絶したときの選択肢は少ないように思います。ビルの合間で取っ組み合いしている生き物の姿を見るやフォードの息子は「ダイナソ〜」のひとことで、エルはといえばまず夫のことが心配。どんなカンケーなのか気になるようでならない芹沢博士(as渡辺謙)とグレアム博士(asサリー・ホーキンス)がゴジラのことを1から10まで話すと「言わば神よ(震え声)」のグレアム博士につづいて「怪物だよ」とフォード。人はそれぞれ見え方が違うし考え方も違う。だからこそ「交信」に意味があるわけです。

ゴジラとムートー。人間にはわからない交信をする2つの生き物。今回は登場人物と共に「その事実」に直面するのみです。ムートーの鳴き声、ゴジラの咆哮、何が起きている?何をすべき?感情移入の仕方がわからない。ゆえにバトルシーンはどこか興奮させません。しかし、それは初めて「怪獣vs怪獣」を目撃したときの人間にとって絶妙なバランス感覚といえます。ラスト、水平線に消えていくゴジラ。芹沢博士の表情が物語るのは、人間にとって新たに理解すべき対象、人類に新しい光が見えたということ。背びれの発光が美しい。ではその美しさとは何なのか。光の先にある未来はどんなものなのか。またゴジラを見たい。脳内字幕をつけてゴジラにセリフをつけたい。映画という交信術がふたたびボクにゴジラを見せてくれました。最高。なんでも続編にはラドンモスラキングギドラが登場するそうで。いやはや/(^o^)\ナンテコッタイ!おわり