クリスティーナの超好きなコト『バーレスク』

2010年のうちに見逃していた作品。ようやく見てきました。公開直後の評判も良かったし、見られた方の多くが年間ベストテンにランクインさせていたので、まあ、これは確実に面白いだろう、ぼくも絶対好きなカンジだろう、と、ちーっとばかしユルめのテンションでのぞんだのですが、いやはや参りました。まさか開始5分で泣けてしまうとは!素晴らしすぎるよみんな!歌とダンス!最高!ブラジャー!違った!ブラボー!

昨年、ぼくが見た作品のなかで、一番心にグッとくる感動を味わわせてもらえた作品といえば『ベンダ・ビリリ』。そして、一番どうしようもなく泣けてしまった作品が『インビクタス』だったのですが、前者は実録・奇跡の話を描いた奇跡起きまくり映画、後者は人々の願いを込めた祈り届きまくり映画。そこへくると本作は、ドリームズカムトゥルーを描いた「夢叶いまくり映画」として、もし、去年のうちに見ていれば、○○まくり映画というコンセプトで年間ベスト映画に選んでいたかもしれません。しばらくの間は本作のパワフルさに感化されて、ちょっとやそっとじゃヘコタレないことでしょう。

クリスティーナ・アギレラ演じる主人公アリが、片田舎はアイオワから、歌とダンスへの情熱だけを頼りに単身ロサンゼルスへ。そこで描かれる極上のサクセスストーリーという王道中の王道の物語です。ミュージカル映画というよりは『8Mile』などに連なる青春娯楽作で、見所はなんといっても歌とダンス。魂込めて歌ってます感がハンパじゃない歌声と、お尻おっぱいおみ足おめこ女の武器ぞここに極まれり的なダンスがもうスクリーンで大変なことになっちゃってます。あと、映像全般に光のもやがかかったようになっていて、それが夢物語であることをより一層感じさせたりもして、魅了されました。とにかく、やってやるぜあたしらは!みたいなルーツ飲んでGOなパワフルさに終始圧倒されっぱなし。役者陣では完璧な女性陣に加え『プラダを着た悪魔』モード全開のスタンリー・トゥッチ、『セックス・アンド・ザ・シティ』の色男ピーター・ギャラガーなどが、「決して女子力に飲まれない男」として脇を固めていて素晴らしかったです。

他にもあの歌とあの場面よかった(クリスティン・ベル復帰の歌、化粧のレッスン)とか、あれがこうだったら完璧だったなあ(婚約解消うんぬん、冒頭のママさんだして〜)とか書いとくのもいいんですが、せっかくなので少し背伸びしたことを。本作のような劇場モノの映画には「経営難で身売りしなけば・・・」というくだりがつきものでありまして、それをきくとどうしても昨今の相次ぐミニシアター閉館の事実を連想してしまうんです。本作がその問題をクリアした方法は夢物語なだけあって、実にドリームフルなものでしたが、現実ではそうも上手くはいかない。最高最高と心躍らせながら、どっかしらそんなことを思い浮かべて、いろいろあって考えが巡り巡って、大して業界に貢献しているわけでもないぼくが一体何を憂えているんだ?という心の声を押し殺し、これからも映画見て、楽しんで、少しでもその魅力を伝えていけたらなと思っているところです。あんまり伝えようって意思が感じられない文章かもしんないけどなあ。とにかく、みんなにもっと映画を好きになってもらえるよう願いながら感想を書いてゆくよ。