2011-01-01から1年間の記事一覧

アリス・イン・ウエスタンランド『トゥルー・グリット』

西部劇、銃撃戦、主人公が映画初主演、初めて尽くしのコーエン兄弟最新作。ジョン・ウェイン主演映画『勇気ある追跡』のリメイク作品ではあるけれど、個人的にはいつものコーエン風味に新たな要素が加わったことで、西部劇よろしくコーエン兄弟が新しいステ…

2011年宇宙の旅『マグノリア』

しばしば「デキるほうのPTA*1」と褒めそやされるポール・トーマス・アンダーソン監督作品。188分という長尺もあって、なかなか再見できずにいたのですが、先日鑑賞したコーエン兄弟監督作品『バーバー』にあった「ひとつひとつの場面は迷路のようだが全体像を見…

オール・アバウト・マイ・ママー『バーバー』

2001年製作のコーエン兄弟監督9作品目。最近、コーエン兄弟の映画を見返しています。ジョン・グッドマンの強烈さが印象に残っていた『バートン・フィンク』を皮切りに、最高傑作の呼び声高い『ファーゴ』、カルト人気作『ビッグ・リボウスキ』の二大巨頭を経…

無題

いろんな考えに一理あるなかで不平不満をグッとこらえる日々*1。そんななかで、アリエナイ石原慎太郎には気兼ねなく呪詛をとなえることができて、ちょっぴり毒抜きできたような気がします*2。今日16日は福島に友人を迎えに行くという友達のトンデモナイ電話…

小さな小さな恋のメロディ『ONCE ダブリンの街角で』

未曾有の大震災が起こる中、久しぶりに映画を見ました。少しだけ揺れているテレビ台を見ていたら、いつの間にか地震に慣れてしまってる自分に気づかされたりして、ばっちり集中しての鑑賞とはいきませんでしたが、ボクはお国のために「考え」を巡らせる立場で…

苦痛ショーへようこそ『バートン・フィンク』

新作『シリアスマン』が公開中のコーエン兄弟監督作品。ヌメヌメとした掴み所のない感じが好きだったことを覚えていて、さすがにコーエン兄弟作品のひとつかふたつくらいはインセプションしとかなきゃマズイだろ、と思い立ったが吉日、ここ3日間はアホみた…

某日ぼけっと見た『毎日かあさん』『英国王のスピーチ』

『毎日かあさん』 映画化がつづく西原理恵子原作作品。漫画は読んだことない。というか、名前を「サイバラ」と読むことさえついこの間知ったのだった。一昨年前に深津絵里目的で見た『女の子ものがたり』はまじに傑作だったし、去年の『パーマネント野ばら』も…

シジミども、悲しみの愛を見せろ『川の底からこんにちは』

弱冠26歳石井裕也監督の商業映画デビュー作。昨年10月に本作の主演を飾った満島ひかり嬢と晴れて結婚。え!?っという戯けたルサンチマンを爆発させながら見た本作ですが、いやこれはやばかった。すべての鬱屈さを吹っ飛ばす快作でありました。昨年見ていた…

ヒア・アフター・トゥモロー『ヒア アフター』

クリント・イーストウッド監督作品。御歳80歳。絶賛傑作連発中の巨匠の最新作。題材はなんと「死後の世界」。ただ、「死後の世界」そのもの?への言及や描写は少なく、昨年の『ラブリーボーン』とはまた違った趣きの作品だったように思います。どちらかと言えば…

幸せになるための1400の映画『幸せの始まりは』

メモ的に感想をアップしましたが、それじゃあ勿体無いくらい気に入った作品だったので新たにエントリ。『恋愛小説家』などのジェームズ・L・ブルックス監督作品。人生に行き詰まった感のある登場人物たちが、出会いや別れを経てひとまず前を向いて歩きだす…

第3新錦糸町市にお邪魔しました

遅ればせながら、先日のギギギ会レポートに引き続き、2月の5日と6日に上京した際の思い出日記です。例によってイメージ画像と共に。なんすば!*15日夜、亀戸ギギギ会。翌日6日に新宿にて映画鑑賞を予定していたので、その日の夜はネットカフェで何とか過ごそ…

2月某日鑑賞作品『パラノーマル・アクティビティ2』『幸せの始まりは』『黒く濁る村』

特に一本の記事としてあげる感想が見つからなかったので簡単にメモ書き。 『パラノーマル・アクティビティ2』 鳴り物入りで公開された前作は楽しめた。正体不明のイベント感がすさまじかったのだ。 「怖い」と「びびる」は違う。 固定カメラ、またはハンディカメ…

その国のこども『闇の列車、光の旅』

2009年サンダンス映画祭監督賞/撮影監督賞受賞作。監督は本作が長編デビューとなるキャリー・ジョージ・フクナガ。日系アメリカ人。撮影賞を受賞しているだけあって、舞台であるホンジュラスやメキシコなどの暑苦しくも乾いた、それでいて緑が瑞々しくもあ…

ヒャッハー アイランド『ゾンビランド』

全米公開時に歴代のゾンビ映画史上で、なんとナンバーワンのヒットを飛ばしたらしい本作。DVDにて鑑賞いたしました。ゾンビだらけの「ゾンビランド」と化してしまったアメリカを舞台に奔走するお話。『ソーシャル・ネットワーク』のザッカーバーグことジェシー…

ギギギ会@亀戸a.k.a.一寸先はルサンチマン

噂のギギギ会へいってまいりました。場所は亀戸のモツ屋さん。いきなり申し訳ないことを書くと、お話が楽しすぎてモツとかナマニクとか全然食ってないです。あーゆー下町の飲み屋さんなカンジのお店にははじめて行ったので、ちょっと雰囲気に気圧されたって…

詠春拳のスピーチ『イップ・マン 葉問』

あのブルース・リーが、ただ一人師と仰いだ武術家イップ・マン(葉問)の物語。新宿武蔵野館で見てきました。っていうかさ、ブルース・リーほどのお人にもさ、誰かの弟子になって修行に励んでいる時期があったんだな!いや、当たり前だけどさ、なんかびっくり…

ファイト・クラブ、その後『冷たい熱帯魚』

園子温監督の最新作。話題沸騰中の問題作ですね。東京まで鼻の下をのばして見てきましたよ。うん、いきなり言っちゃうと本作を手放しで気に入ることはできませんでした。でもすでに大傑作という評価で間違いないと思うので、なぜ自分はそう思えなかったのか…

ぼくにしか聞こえない『ウォール・ストリート』

オリバー・ストーン監督作『ウォール街』('87)の続編。前作を見ずして鑑賞にのぞんでしまったぼくは負け組みです、ええ。 この物語を経てマイケル・ダグラス演ずるゴードン・ゲッコーという男が、一体どういう状況に置かれたのか、また、彼の気持ちにはどん…

「映画って楽しいね〜だからシネマっていうのかな〜♪」くらいの違和感が丁度いいのかもしれない。

ツイッターに垂れ流すのも何なのでコチラに・・・という旨の記事。昨晩ツタヤへDVDを万引きしに行ったんですが、目当ての作品があまりのも置いてなくってですね、なんだよーと思いながらウロウロしていたらば行き付けの飲み屋の店長さんとバッタリ遭遇しまし…

死ぬまでにしたい1のこと『GANTZ』

人気漫画の実写映画化。漫画早く終わってくれえ。読みたくて仕方ないのだよ。一刻も早く満喫にこもって一気読みしたいのだ!タエちゃん!タエちゃん! 結論から言うと“完全”実写映画化と言うにはほど遠い出来だ。どこを修正してもすぐに粗が見つかるほど問題…

いま、会いにゆきりんまゆゆ『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』

最近は毎日のように「寝ても覚めてもゆきりんワールド*1」で過ごしておりまして、たまに「目線をいただきまゆゆ*2」されているわけですが、ハイ、AKB48のドキュメンタリー映画を見てきました。本編が始まる直前になんとぼくの斜め前にいたおじさんが「よっし…

人のマスかきを笑うな『デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜』

トッド・フィリップス監督作品。話題をさらった前作『ハングオーバー!』から引き続きザック・ガリフィナーキスが登場。ひょんなことから彼と同行することになるロバード・ダウニー・Jr。ダウニー演じるピーターとザック演じるイーサン。二人が繰り広げるド…

世界で一番不運で不幸せな私『クレイジーズ』

ジョージ・A・ロメロ監督作『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』('73)のリメイク作品。町中の人々が謎の細菌により「狂暴化(クレイジー化)」してしまい、突如として襲いかかってくるお話。 とても面白かったです。テンポよく進んでいく物語に超のめりこめ…

愛についての欽ちゃんレポート『Bootleg vol.2 Love Story』

昨年12月に文学フリマにて購入した映画同人誌。ようやく読み終えました。3号目となるBootleg。テーマは「愛」。 ※画像、超高画質ハイメガピクセルで申し訳ありません。 〜目次〜 ・恋愛映画狂想曲『(500)日のサマー』大解体 ・耐えしのべ。親と一緒に セック…

ビリオンダラー・ベイビー『ソーシャル・ネットワーク』

話題が話題を呼ぶ超話題作。この土日に2夜連続で見てきてしまいました。史上最大のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)となったフェイスブック。その創始者であるハーバード大学生マーク・ザッカーバーグについての物語。 ここ数年間で一番すごい映画と…

シティ・オブ・ザ・デッド『ジョニー・マッド・ドッグ』

レンタル開始を心待ちにしていた本作。じっくりと見てしまったよ。「少年兵」という言葉から受ける違和感がこれでもかとぎっしり詰まった傑作。始まりから終わりまで眉をひそめずに見られたシーンはひとつもなかった。 主人公は狂犬“マッド・ドッグ”の異名を…

クリスティーナの超好きなコト『バーレスク』

2010年のうちに見逃していた作品。ようやく見てきました。公開直後の評判も良かったし、見られた方の多くが年間ベストテンにランクインさせていたので、まあ、これは確実に面白いだろう、ぼくも絶対好きなカンジだろう、と、ちーっとばかしユルめのテンショ…

クローバーフィールド/KIKANSHA『アンストッパブル』

新年一発目の劇場鑑賞。2001年に実際に起きた貨物列車暴走事故にインスパイアされた作品。インスパイアというくらいだから、ちょっとくらいは話を盛ってるんでしょうかねえ。 大量の化学薬品を積んでいるため、もし、脱線して事故となればミサイル爆発級…

女と女とムショの中『シカゴ』

監督ロブ・マーシャル。2002年の映画。ミュージカル映画好きなんですけどそんなに本数見てないし、ミュージカル自体にも詳しくないんですが、この作品だけは大好きで何回も見ています。「歌」の場面が会話ではなく、登場人物の紹介だったりそれぞれの心象風…

あるスコーピオンの覚え書き『ゾディアック』

監督デヴィッド・フィンチャー。2007年の映画。新年一発目がこの作品とかいってハマりかけてるね。ブログ更新に。欲求だけは一人前という。だからわかりますよ、劇中の彼らの気持ちが。男のフレーバー満載の傑作です。 「あの事件を完全再現してやる」といっ…